美しいから、宝石
宝石に関わることが、ここ数年増えてきました。
クマンマンでもジュエリーを製作していますが、クマンマン以外の場所でも、宝石に関わるお仕事やご縁が増えた、と思います。
もともと石が大好き。
宝石だろうと、そうでなかろうと、美しい石になぜか魅かれてしまいます。
宝石といえば?
と問うと、ほとんどの方は、
高い!
とおっしゃいます。
これ、なかなか僕にとっては驚きです。
僕にとって、
宝石といえば?
美しい!
これにつきます。
美しいからこそ価値があるし、美しいからこそ人が求めて止まない。
美しい。
これが基本だと思います。
そして、本当の美しさは奥が深い。
その美しさは作られたものでなく、ナチュラルなのか?
石は喋れませんから、表に現れた美しさが、嘘ではなく、天然の美しさなのか?見極めが大切です。
産地や、微妙な色の差や、大きさ…
色々な要素のバランスの先に、美しさがあると思います。
面白いのが、高いから美しいわけでもなく、美しいものが必ず高いというわけではない。
世界的に価値がある、とされるものが必ずしも自分の好みに合致するわけでもないです。
たとえば。
ピジョンプラッド
という言葉があります。
ビルマ産のルビーで、特に素晴らしいとされる赤は、ピジョンブラッドと呼ばれて珍重されます。
最近は何でもかんでも、とにかくピジョンブラッドとラベルが貼られてしまってますけど、ビルマ産のトップクラスにつく称号。
アフリカ産のピジョンブラッド、なんて見かけますけど、これはおかしい。
他の産地のルビーは、ピジョンブラッド、とは呼ばないんです。
で、ピジョンブラッド。
たしかに美しいのですが、僕はピジョンブラッドより、もう少し黄味がかった、華やかな赤が好みです。
色も大切だけど、照りや、結晶の質が僕には大切。
幸い、ピジョンブラッドより価格もお手頃な、僕好みの赤。
今となっては、ビルマ モゴック産 非加熱 無処理 のルビーは、とてもとても高価なものになってしまいましたが、昔むかし、幸運に幸運が重なり、僕の手元には1ctのモゴック非加熱無処理のルビーがあります。
バリ島の職人にお願いして、とても豪華で、華やかで、アジアらしいジュエリーになりました。
この石を見るたび、勇気付けられたり、明るい気持ちになれたり、頑張れたり。
ピジョンブラッドではないけれど、まっすぐな赤が、僕に力をくれます。
身を飾るだけではない宝石の魅力。
気持ちに栄養をくれるんだと思います。
高価でなくても、美しく、楽しくなれる石を クマンマンジュエリーにしていきたいと思っています。
美しいから、宝石。
美しいから、元気になる宝石。
この魅力をみなさんにも感じてほしいな。